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小さな祝祭によせて

今回、わがまま言ってお願いしました。
PUNCTUM TIMES の寺本さんが書いてくれたテキストです。
会場は勿論、写真集にも掲載されてますが
自分では、写真たちへのラヴレターだと思ってます。
熊野の光と、カルバーシティーの光が
ひとつに溶けあった気がして、とても気に入ってます。



小さな祝祭によせて

 手術【外科の医師が治療のため、メスや器械を用いて患部を切除するなどの 治療処置をほどこすこと。オペ】を受けた人なら少しわかってくれるかもしれないが、術後、麻酔から覚め、傷口の痛みに耐え、何日かを病室で過ごしてから退院し、「日常の世界」に戻った時の風景の見え方というのは、それまで経験したことの ない見え方がするのです。( 僕が手術を経験した 後はそうでした。もちろん、この 見え方も、傷が癒えるにつれて、だんだんと術前のような見え方に戻ってしま うのですが...... 。)
 とにかく光がきれいなのです。「美しい」のひと言なのです。まばゆい光とは こういうことを言うんだ、もしかしたら生まれて初めて見た光とはこういう感じ だったのでは、と思ってしまうほど、光への感応度( 光の官能度?)が高いのです。 そのあふれる光が、目に映るものすべてに等しくこぼれんばかりにーこぼれているかのようにーあたっていて、それらをどうにかしてCaptureしたくなる強 烈・猛烈な衝動が 湧き起こる。
極端なことを言うと 、もう何を写したってかまわない 。 道ばたの花だろうが、古びたビルの壁だろうが、忘れ られた空き地だろうが、何だっていい。 光に反応して、そこに降りそそぐ 光をすくい 取れていれば、それだけでうれしい。自己満足だけど、大満足。光があることのすばらしさ。自分の影がそこにあるという 奇蹟。Celebrate My Existance. 小さな歩行。小さな祝祭。
 斉藤さんの、「初めての写真」がここにある。斉藤芳樹という百戦錬磨の写真家の、記憶と細胞の歴史のなかにある原初の光がここに集い、この空間を照らし、ささやかで、控えめな、そして愛しげな祝祭のダンスがはじまる。もう 二度と戻ってはこない光のために。
Always Keep Light in Your Mind. Wherever You May Wander, Wherever You May Roam.


寺本 一生(PUNCTUM TIMES 編集発行人) 〜剥き出しの光の熊野にて
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